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引っ越しをした、窓の風景から春の色

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こちらは、長女が生まれてから12年間暮らしたマンションの3階からの風景。

母方のひいおじいちゃんがここで電気屋を営み、ランプから電気に移り変わる時代、京都中の山の奥まで電気を付け替えに行ったという多忙な時代で、奉公の人も沢山住んでいたといいます。陸軍大尉だった跡継ぎのおじいちゃんが太平洋戦争時満州で戦死した当時はまだ日本が強かった時代で大層立派な葬儀パレイドが行われていた写真を見ましたが、その後、母達は奈良へ引っ越し、このビルを立てる迄の50年以上の間は、旅館にお貸ししていました。

余談ですが、97才のおばあちゃんは今もおじいちゃんの遺族年金を受け取り、それを子供、孫、ひ孫の世代までお小遣いといって還元してくれています。合った事のないおじいちゃんの存在は今も生きているのです。ある意味私達の中で戦争は続いているのかな、、、?みんなおばあちゃんには長生きしてほしいと願っています。どんな形であれ、私もおばあちゃんになるのなら、長生きをしてほしいと思われる人になりたいです。

南の窓からは寝ている時よく月が見えました。京都タワーもよく見えていました。春と秋には手前の旅館に修学旅行生が押し寄せにぎやかで、「かわいい!」などとちょっかいを出してもらえるのが嬉しい長女は、幼い頃よく友人Mちゃんと一緒に窓から顔を出しては修学旅行生に遊ばれておりました。それが小学生になり、年端も近くなると、だんだんとけん制しあい、、、子供の成長って見ていて面白いもんです。

長女入園から次女の卒園までの通算12年間通い続けた私の保育園送迎生活と共にあった家でした。次女は保育園が大好きで、お友達も先生もみんな仲良しでした。大きいランドセルを抱えてニコニコしながら小学校から帰る道で「保育園見に行きたい…」とつぶやくのを聞くとちょっぴり切なくなるのは次女ではなく私の心。

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そして引っ越した、1kmほど北の、実家マンションです。わずかな距離でも便利さがグンと良くなりました。街が近い、営業先が近い、親が近い。。。子供の頃はひたすら逃げ出す事ばかり考えていた住処も、今では物は考えよう。時が色々な変化をもたらしてくれますね。

ここは、奈良で農家をしていた母が結婚して、跡継ぎのない母の叔母の養女として、父と一緒に籍を入れた住まいです。昔は秀吉の家臣、蜂須賀小六の屋敷跡だったそうですが、母の叔母(私にとってはおばあちゃん)も又電気屋の社長を営み、かの本田宗一郎氏とテレビで対談した事もあったそうです。そのおばあちゃんは器量が良かった事を覚えていますが、私が幼い頃に亡くなりました。それからしばらくしてテナントビルに建て替わり、私が結婚する迄を過ごした家に、15年後再び帰って参りました。

ビルの狭間からは木屋町の桜の木が顔の除かせ、鴨川の向こうには茶屋でにぎわった宮川町、そして東山が腰を据えています。
昔、まだビルの少ないころは、この家の2階から五山の送り火がよく見えていました。

近くの鴨川で幼い頃行われた花火の幻想的な光景は今でも印象に残っており、赤提灯の床の楽しげな宴の光景は、幼心に不思議な大人のまだ見ぬ冒険世界を空想させられました。「千と千尋の神隠し」を見た時それが蘇ったのもそのはず、その頃からたもとにあった「清せい」は「千と千尋の神隠し」の湯やのモデルとなった建物なのですから。

昔憧れていた「田舎」ではないけれど、ここが私のふる里です。今度どこかへ引っ越すことがあっても、やっぱり京都のどこかがいいな。できれば鴨川の近くに住みたいなあ。

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by diamondchichi | 2010-04-10 15:31 | ニコラ、破天荒な毎日
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